皆さん、こんにちは
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。
ハイパーコンバージドはNutanixとvSANが市場を盛り上げておりますが、それ以外にもSimplivity/HyperflexなどのHCIもあります。実際レノボにおいてもNutanix/vSAN以外にDatacore社のHCIプラットフォームがございます。本日はそのDatacoreのHCIであるServer SANのご紹介します。
Datacoreについて
以前こちらのブログでも紹介しておりますが、Datacoreは元々SANSymphonyという製品でストレージの高速化・ストレージ統合のプラットフォームを提供しているSDS製品です。詳細については過去に紹介した記事を以下にURLを載せておきますので、ご参照ください。
今回はそのストレージの高速化されているプラットフォームをHCIの環境して提供しているServer SANのソリューションをご紹介します。
1. Server SANとは?
ストレージ仮想化で利用されている2台のクラスタをベースに内蔵ディスクでサーバのみを追加してハイパーコンバージドのストレージ環境を実現します。IOの方式については、従来通りのParallel I/O技術を利用することにより、仮想マシンのIO性能を向上させることができます。
ただし、HCIと言いつつもNutanixのように制限無く(AHVのみ)拡張できるわけではなく、仕様の制限はあります。現状は64ノード(1クラスタあたり)が最大ノード数になっております。実際にNutanixやvSANで64ノード超えてクラスタを構成するケースは少ないことと、32PBまであればたいていの仮想化環境は収まることを考えると小規模から大規模までカバーできるHCIであると思います。
また、こちらのHCIについては、DatacoreそのものがWindowsベースで動作することから、Windowsにそのままインストールすることで利用することができます。ESXのプラットフォームでももちろん利用することはできますが、既存環境でESXが必須でない場合はHyper-V環境で構築する方がコスト面で有利です。(実際はESXの方が使いやすいと言われることが多いです)DB(SQLServer)の仮想マシンの高速化などで間違いなく威力を発揮します!
2. 基本構成
構成については、サーバ2台から10Gb以上のインタフェースで接続してハイパーコンバージドインフラのように利用してノード追加するか、外部サーバの外付けストレージとして容量拡張可能なストレージとして利用するシーンの2つになります。そもそも、こちらの2つについては、アプリケーションの居場所がサーバの内部かサーバの外部にいるかの違いだけであることから、用途としてはほとんど変わりません。
3. アーキテクチャ
アーキテクチャは以前ご紹介したParallel I/Oがベースですが、それ以外にもメモリをキャッシュとして利用したり、Poller Threads (前回ブログ参照)でIOを監視することでIOパフォーマンスを向上させております。
IO性能を向上させるということにおいては、NutanixのAHV Turboも同様の技術がありますが、CVMのアーキテクチャを改良して並列にIO処理を行うところは一緒ですが、若干アーキテクチャの違いはあります。処理が速いものがどちらかというのはここでは触れませんが、非常に興味はあります。
4. 自動階層化
スピードを追求だけでなく、ストレージの効率利用ということで、自動階層化も利用できます。SSDからHDDなどへの階層化だけでなく、クラウドを含めた階層化も仮想です。また、NVMeや3D XPointなどの並列で書き込み可能なデバイスを利用することにより更なる高速化、それに伴うネットワーク帯域の高速化に合わせて今後は25Gb/100Gbを視野入れた構成も対応できます。以下にリンク先を載せておきますのでご参照ください。
5. QoSコントロール
IOPSとスループットを調整する機能でQoS(Quality os Service)をコントロールすることができます。これによりミッションクリティカルなアプリケーションに優先順位をつけて処理させたい場合、重要度の低いワークロードのIOトラフィックの制限を設定することができるようになります。
その他機能も搭載しておりますが、今後掲載していきたいと思います。
Datacore社のHCIについてはNutanix/vSANとはまた違う価値を提供致します。HCIを導入して運用だけを変えるのではなく、アプリケーションの高速化も含めて検討してみてはいかがでしょうか。
宜しくお願い致します。