皆さん、こんにちは レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。
本日の記事は前回の続きになります。
今回のテーマは以下の2つになります。
1. vSANのリソースって、NutanixのCVMみたいの大量に食うことはない!?
2. VDI提案の場合、HCIは3Tier構成に比べて不利なの!?
まずは最初にテーマである「vSANのリソースって、NutanixのCVMみたいの大量に食うことはない!?」についてお話します。
この疑問は、以前にHCIを扱っている会社の方とお話したときに言われた話です。認識が違うことがないようにここでコメントしたいと思います。
1. vSANのリソースって、NutanixのCVMみたいの大量に食うことはない!?
実際にそうなのか?NutanixとvSANのリソースを確認してみましょう。
こちらに最新版のNutanixのCVMに必要なvCPUとメモリ量が記載されています。このリソースを多いと思うか少ないと思うかは人それぞれ思うところはあります。LenovoのHXの場合はvCPU:8, Memory:28GBを推奨しています。(HX3310シリーズ以降)
次にvSANのリソースを見てみましょう。
これを見る限り、明確にこの数値にしてくださいという記載はありませんが、32GB以上メモリは必要となります。またCPUについても10%のオーバーヘッドが出るということから、構成次第ではNutanixよりも小さくなったり、大きくなったりします。
vSANはインカーネルだからNutanixのようなCVMみたいにリソースが取られるのは大きな認識違いになります。
また、VMware社のサイトにも以下の内容が記載があります。こちらの内容を見ると、オールフラッシュにするとメモリ量を多く必要とされる内容も記載されておりますので、オールフラッシュのときは要注意ですね。
vSANのデザインとサイジング - メモリオーバーヘッドに関する考慮点 - Japan Cloud Infrastructure Blog - VMware Blogs
パフォーマンス面については、以下のサイトに情報がありますので、参考まで見ていただければと思います。
ネットワールド らぼ: VMwareさん、ご冗談でしょう?(FUDだ!) : Nutanix CVM/AHV と vSphere/VSANのオーバーヘッド
2. VDI提案の場合、HCIは3Tier構成に比べて不利なの!?
VDIの場合は1台のサーバにどれだけの台数のクライアントを収容するかによってホストの台数の削減につながります。当然HCIでもその話は同様なのですが、アーキテクチャの違いでそれがどのように変わるのかをお話します。
まずは、普通にVDIを構成を組むとどうなるのかを図で書いてみましょう。
HCIの場合、サーバ(ネットワークスイッチも含む)でシステムを構成されていますが、実際にはホスト間のデータのやり取りにCVMのリソースが必要となります。
3Tier構成の場合はどうでしょうか?スイッチやストレージは外部で接続されていますが、実際にCVMなどは存在しません。
1台あたりのホストで収容する仮想マシンの台数に関しては、CVMを差し引くことを考えると実際に3Tierに比べてHCIのほうが収容効率が悪いと言えます。
ただ、実際にそれだけでVDIの基盤を選択するのはどうでしょうか?実際に大規模の案件になればなるほどそれは顕著に違いが現れます。
こちらは数千のVDI環境でのラックの本数の差になります。HCI側はスイッチが含まれておりませんが、仮に含めたとしても2本ラック程度に収まると思いますが、実際に3Tierの場合はどうでしょうか。ストレージなど従来型で構成する場合は上のような本数になり、仮にオールフラッシュ構成にしてLinked Cloneで規模を小さくしても、2本もしくは3本程度必要となりますし、価格的にも高くなる可能性もあります。
運用面を考えても、増設対応する場合もサーバをそのまま追加していけばよいHCIに比べて、サーバ・ストレージをバランスよく増設することが必要になります。そのためHCIにして、少しでもTCOを削減できるようなシステム構成にすることも大事であると考えます。
宜しくお願いします。