皆さん、こんにちは レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。
本日は先日USで発表されたSAP HANA向けのNutanixモデルのThinkAgile HX7820/7821をご紹介したいと思います。
本記事をご参照頂くにあたり、以下のブログの記事も合わせて参考にして頂くとモデルの詳細を理解できると思いますので、よろしくお願いします。
HCIの10Gbで本当に大丈夫!?~AHV Turboを少し調べてみよう~ - LTN Blog 〜 Lenovo Technology Network 〜
Nutanixがパフォーマンスを必要とするエンタープライズアプリケーションに最適なソリューションである理由 - LTN Blog 〜 Lenovo Technology Network 〜
まず初めにSAPに関する要件について一度ご説明したいと思います。
SAP HANAがリリースされる前はOracleやSQL Serverなどを利用してプラットフォームを構築していましたが、一つのプラットフォームに統一しリアルタイムにデータを分析してビジネスをサポートしながら、ハードウェアやオペレーションコストを削減してきました。
しかしながら、従来型に比べて1/3のラックスペースとあるが、SAP HANAであっても3Tier構成である以上、インフラのオペレーションは一向に楽になるわけではなくハードウェアを含むインフラの柔軟性が必要となります。そこで考えつくのがハイパーコンバージドのようなインフラに対応していればよいと考えつくと思います。
ハイパーコンバージドは迅速性・柔軟性に加え、自動修復機能などの障害時のオペレーションにも非常に効果的なソリューションであります。運用についても1クリックで運用できることで、これがSAP HANAが対応していれば問題ないのですが、つい最近までNutanix(特にAHV)には対応しておりませんでした。
これが先月ようやくAHVでの認定が発表されたことにより、Nutanix上でのプラットフォームでSAP HANAが提案できるようになります。(製品リリース秋頃の予定)
なぜ、ハイパーコンバージドでSAP HANAが動作させる必要があるのかをご説明します。
ハイパーコンバージドを選択することにより、コンピュート・ストレージのノードをノード単位でスケールさせることが可能です。これで増設時もサイジングも苦労することありませんし、何よりオンラインで増設が可能になることから、業務への影響は少なくなります。
もちろん現状のサーバでSAP HANAが動作するサーバで適応すればよいのですが、SAP HANAの要件として4ソケットモデルが必須要件になるため、従来の2ソケットサーバでは対応不可となります。レノボの場合、ThinkSystem SR950(最大8ソケットまで搭載可能)のモデル(ThinkAgile HX7820/HX7821)でこちらのソリューションに対応します。
SAP HANAがパフォーマンス的に構成で認定されたモデルが今回リリースされたわけですが、こちらのモデルはNutanixのNXシリーズではラインナップにございません。
こちらのモデルについての強みも含めてご説明したいと思います。
そもそもLenovoがSAPのビジネスに関してWWではトップシェア(アプライアンスモデル)になっています。そのため、SAPビジネスについては熟知した知識をフルに活用して出来上がったモデルです。もちろん、ハードウェアそのもので高速性、可用性も兼ね備えております。そのモデルをLenovo/Nutanixで共同イノベーションでリリースしたわけであります。(ミッションクリティカル要件のため、信頼性の高いハードウェアが必要)
パフォーマンスについてもWorld Recordを持っていますので、非常に高評価のプロダクトになります。
ここで、一度ThinkAgile HXのラインナップを整理してみましょう。
今回のThinkAgile HX7820/HX7821はハイエンドモデルになります。従来のHX7500シリーズに比べてCPUスペックだけでなく、搭載しているストレージに関してもより高速なデバイスが選択可能になっています。(今回は認定ノードも合わせてリリースしています)
詳細なスペックはこちらのスライドです。ここでポイントなのは搭載ドライブとネットワークインタフェースです。NVMeと25GbEについて以前AHV Turboで話題を取り上げましたが、ようやくこちらのデバイスを利用することでAHV Turboの本領を発揮できるようになります。もちろんインメモリデータベースのSAP HANAは高速でアプリケーション上のメモリのアクセスも必要となりますので、MellanoxのRDMAなどもサポートしていれば、さらに高速することは間違いないのですが、現状RDMAは未サポートになります。
また、こちらのモデルはAOS5.9(次期AOSのバージョン)でサポートになります。
ここでいくつか補足致します。
・CPUについては本番環境で利用する場合はPlatinumのCPUを選択が必須
・現状は3CPUが物理で必要なため、4ソケットモデルが必須
・メモリは最大2.3TBまでサポート
・TDIモデルではNVMeや25GbEのNICは現状未サポート
また、大容量メモリの環境をサポートするために、NUMA環境をサポートする必要があります。今回これを仮想マシンからも利用できるためのvNUMAも合わせてサポートする必要がありますが、こちらはすでにAHVでは実装されております。
上記スライドは今回のソリューションが適していると思われるお客様の一例を記載しております。既存のHANAユーザはインフラのスケーラビリティとTCO削減する運用ができることが特徴になります。
SAPの2025年問題のことを考えると既存で3rdパーティのDBを利用しているお客様から見た場合、DBは作り直しになりますので、それを機にSAP HANAへの移行を検討したほうが良いと思われます。
既存HCIのユーザから見た場合は、新規にSAP HANAのサークロードをサポートすることで、さらにHCIへの環境にアプリケーションを移行できることがプラスの材料になることでしょう。
ThinkAgile HX7820/HX7821がSAP HANA専用にリリースされているように見えるわけですが、実はほかにも利用用途があります。
こちらのスライドで載せていますが、ブロックチェーンなどの用途利用することが想定されます。ビットコインのように複数のトランザクションの結果をネットワーク上で共有するようなワークロードについては今回のマシンが最適であると考えられています。そのため、冗長性なども考えると高可用性(ファイブナインレベル)が要求されます。
Enterprise Cloud OSもミッションクリティカルのアプリケーションをサポートしてきております。これを機にAHVの導入を本格検討してみてはいかがでしょうか。
よろしくお願い致します。