皆さん、こんにちは レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。
本日は長いタイトルになっていますが、Nutanix Eraをご紹介したいと思います。
こちらの内容につきましては、Nutanix様からのドキュメントをベースに掲載させて頂いております。
まずNutanix Eraについて説明します。Nutanix EraはNutanixの純粋なソフトウェアではなくPaaSサービスになります。こちらの製品はデータベースの運用をを効率化および自動化するもので、データベースの管理者が日ごろのデータベースの管理から解放されて戦略的な仕事で専念できるようにするソリューションです。
こちらは、Nutanixの特徴であるワンクリックのシンプルな運用をそのまま受け継いでシンプルな操作でデータベースの運用(プロビジョニングなど)が可能になっています。それ以外にもコピーデータ管理(Copy Data Management)の機能も含まれておりデータベースのコピーデータの運用管理やコスト増からの負担を軽減します
1.データベース運用における課題
1.1 プロビジョニング
IDCの2016年のコピーデータ管理(CDM)レポートによると、調査対象組織の77%が200を超えるデータベースインスタンスを持ち、82%が各インスタンスを10以上コピーを行っています。典型的なデータベース管理者(DBA)は、2,000データベースインスタンスに対して他のデータベース操作をプロビジョニング、管理、リフレッシュ、リストアおよび実行する必要があります。これらのすべてのインスタンスを管理することの複雑さと時間のかかる問題は、データベースがさまざまなレガシーソフトウェアとハードウェアテクノロジで実行されている場合、さらに悪化します。
各データベースをプロビジョニングするには、コンピューティングを単一の仮想マシンまたはクラスタ内の複数の仮想マシンとして構成するなどの考慮が必要です。ストレージプロビジョニングでは、データファイル、ソフトウェア、オンラインログ、ログファイル、ローカルバックアップなど、さまざまな種類のデータベースデータを処理するために、複数のディスクグループが必要になることがあります。DBAが計算とストレージを識別し、データベースソフトウェアのインストールから始まります。クラスタシステムでは、追加コンポーネントのインストール、構成、およびテストが必要です。また、DBAは、異なるバックアップソフトウェアやハードウェアテクノロジとの統合を必要とするバックアップポリシーを構成することによって、データベースを保護する必要があります
データベースのリクエストから始まります(このリクエストはDev、Test、QA、Analyticsチームなどから来る可能性があります)。リクエストはデータベースに送信されます。adminはデータベースのバージョンやサイズなどを調べ、クラスタを作成するためのインフラストラクチャーを提供しています。
インフラ整備が完了したらDBA管理者はプロビジョニング・プロセスを開始します。データベースサーバーと構成のセットアップと最後にデータベースの作成をします。
データベースが作成されると、DBAはプロシージャの一部としてデータベースを保護する必要があります。そして最後に、Dev / Testチームが設定されたデータベースを取得します。
このプロセスでは多くのハンドオフと担当者間のやり取りがあります。したがって、場合によってはユニットによってDevチームがデータベースを取得します。
このケースでは数日のプロセスになって、複数チームとの連携で複雑なプロセスになりがちです。
1.2. コピーデータ管理
クローニングとデータリフレッシュプロセスも複雑です。クローン作成には、クローン作成に必要なログファイルとともにバックアップセットの識別が必要です。DBの管理者は、まずバックアップ(テープまたはセカンダリ・ソース)を見つけてから、データベース・サーバーの設定、データベースへの接続、データベース・バックアップのリストア、最後に特定の時間までのデータベース・ログの再生などの複雑なリカバリ・プロセスを実行する必要があります。次に、DBの管理者は、これらのデータベース・コピーとクローンをすべてソース・データで定期的にリフレッシュして有用にする必要があります。今、組織内のさまざまなグループ(テスト/開発者、BI、QAなど)をサポートするために、何百ものデータベースへの努力を拡大することを考えてみてみましょう。
ここでは、組織内の典型的なデータベース管理プラクティスのスナップショットを示します。 運用データベースから開始します。その後、本番データベースを保護してバックアップするためのデータベースコピーが作成されます。 そのデータベースのコピーは、レポート(BI)、テスト/開発、および品質保証(QA)チームなど、組織内のさまざまなグループによって消費されるように複製されます。現在、これらのデータベースはすべて管理する必要があります。
複雑性
・複数のSWおよびHW技術への統合
・専門のITリソースの必要性
・断片化されているサイロ化された環境
非効率的運用
・ストレージの使用
・DBプロビジョニング
・DBのリストア、リカバリ操作
IDCの調査では、日次にリフレッシュされるデータ32%、週次にリフレッシュされるデータが40%、開発/テストまたは分析用に使用されたコピーをリフレッシュされると言われています。
2.Nutanix Eraを導入すると・・・
Nutanix Eraはデータベース管理を自動化および簡素化し、ワンクリックでシンプルな操作と不可視な操作をデータベースのプロビジョニングとライフサイクル管理(LCM)にもたらすソフトウェアです。Nutanix Eraは、最初のオファリングとしてCopy Data Management(CDM)を始めとして、データベース管理者が任意の時点でデータベースのプロビジョニング、複製、更新、およびリストアを行うことができます。リッチで使いやすいUIやCLIにより、最新のアプリケーション一貫性のあるトランザクションに復元できます。
実際にどのくらいの時間が短縮できるのかをこちらの資料で見てみましょう。通常のプロセスであれば、リクエストを受けてからサーバー担当者の環境構築などを経て、DB管理者が再度構築するまでに約2週間から4週間程度を要します。
それがEraを利用することで、わずか数分の作業ですべてが完了します。そのため、作業のスピードアップが図ることができ、大幅なコスト削減を行うことができます。
Nutanix Eraは、データベース操作の複雑さを隠し、複数のデータベースエンジンに共通のAPI、CLI、およびGUIを提供します。
Nutanix Eraを使用すると、DB管理者は、データベースのプロビジョニングニーズの基準を定義し、ミッションクリティカルなクラスタ、HAデータベースの展開を含む最終状態のプロビジョニング機能を提供できます。
Eraプロビジョニングサービスには、 以下のものが含まれます
・エンタープライズニーズに合わせてカスタマイズされたカスタムソフトウェアイメージ(PSUとワンオフパッチ)
・Pre/Post DBスクリプト挿入を作成する
・複雑なHA環境のサポート(Oracle RACなど)
・洗練されたSLA(継続的、毎日、毎月のRPO)
・ビジネス要件に基づいた定義済み/カスタマイズ可能なSLA
3.Nutanix Eraのコピーデータ・サービス
コピーデータ管理の話をする前に、まずはコピーデータについてご説明します。コピーデータとはデータセンター全体に分散された同じデータの複数コピーです。つまり、本番用のデータを実際に開発用・テスト用などに利用したいケースがありますが、それぞれで環境で同じデータを物理コピーしないで1つの本番データと差分管理でコピーデータを仮想化できるのでコピーにかかる容量や時間を大幅に削減できます
このコピーデータを任意の時間に戻すことがEraの機能でできるようになっています。それがこのタイムマシン機能と言われる機能になります。
3.1. タイムマシン機能
タイムマシン機能は、スケジュールで定義されているソースデータベースのスナップショットとトランザクションログをキャプチャして管理します。Nutanix Eraに登録するすべてのソースデータベースについて、そのソースデータベース用のタイムマシンが作成されます。特定の時点(トランザクションログを使用)またはスナップショットを使用してクローンを作成し、クローンを更新します。
タイムマシン機能を実現する上で任意の時間に戻す際に必要なのはデータベースとその時のトランザクションログになります。つまり該当時間のトランザクションがわかっていれば任意の時間に戻せるわけですが、トランザクションを永久に持つことは容量的にも厳しい(オブジェクトストレージのようなものがあれば話は別)と思いますので、二日次ベースで1週間程度は任意の時間に戻れるようにします。これをタイムマシン機能と呼んでいます。
トランザクションログとデータベースを突き合わせて出来上がったデータをポイント・イン・タイム・リカバリと呼び、このデータが開発用もしくはテストなどに利用されます。
また、週次以上前のデータについては、トランザクションではなく、スナップショットをベースにリカバリを行います。このようにすることで、直近データは任意の時間、週次・月次以上前のデータについてはスナップショットで戻します。
クローンは、特定の時点(トランザクションログを使用して)またはスナップショットを使用して作成します。スナップショットを使用してソースデータベースを複製する場合は、使用可能なスナップショットを選択し、ソースデータベースをスナップショットが取得された時点の状態に複製します。特定の時点でソースデータベースを複製する場合は、クローン時間を選択し、ソースデータベースはその時点の状態に複製されます。
クローンのリフレッシュはクローンデータベースをソースデータベースの最新の状態に更新することができます。特定の時点(トランザクションログを使用)またはスナップショットを使用して、データベースクローンを更新します。
ここからはデモ画面のイメージを掲載いたします。
こちらの画面では以下の内容が表示されております。
- 本番環境のソース データベース数
- クローンデータベース数
- データ容量の削減率
こちらの画面はSLAの画面になります。CreateボタンをクリックしてSLA作成画面になります。
サービスレベルはGold、Silver、Bronzeの3種類で表示されます。
それぞれのSLAは以上のような規定になっています。
プロファイルとして以下の設定が可能です。
- データベースエンジン毎の標準カタログ(Oracle/Postgres/MySQL/SQLServer)
- 仮想マシンのサイズ (vCPU、メモリ容量)
- データベースエンジン毎のネットワーク設定
- データベースエンジン毎のデータベースパラメータ
作成したデータベースの一覧を確認することができます。
- Overviewではサポートしているデータベースエンジンの一覧
- Sourcesは登録済の ソースデータベースの一覧
- Clonesはクローンされたデータベース一覧
ソースDBの登録画面になります。
1.Sourcesを選択し Register ボタンをクリック
2.データベースエンジンとして(今回は)Oracleを選択
3.データベースサーバに必要な パラメータを入力
4.データベース名、SIDを入力
5.タイムマシンのための スケジュールを設定
6.Registerボタンをクリック
7.Operationsページに移動して 登録状況画面を表示
データベースのプロビジョニング画面になります
1.Sourcesを選択し、Provisonボタンをクリック
2.データベースエンジンとしてOracle、 タイプはCluster Database、ノード数は2を選択
3.データベースサーバに必要なパラメータを入力
4.データベース名、SID、SYS/SYSTEMのパスワードを入力
5.タイムマシンのためのスケジュールを 設定
6.Provisionボタンをクリック
7.Operationsページに移動して プロビジョニングの状況画面を表示
1.Timemachinesページに移動して、「CRM_DB_TM」をクリック
2.タイムマシンのGUI画面
緑はログによるポイント・イン・タイム・ リカバリが可能な期間。青は日次、紫は週次で保持している期間を示します
3.左上のCloneボタンをクリック
4.右上のDayボタンをクリック
5.クローンする任意の時点を選択して、Next ボタンをクリック
6.VM Nameを入力して、Nextボタンを クリック
7.名前、Oracle SID、SYS/SYSTMEの パスワードを入力してCloneボタンを クリック
8.Operationsページに移動してクローンの 状況画面を表示
1.Databasesページに移動して左のパネルからClonesを選択して、「CRM_DB_Dev-1」をクリック
2.Refreshボタンをクリック
3.右上のDayボタンをクリック
4.Refreshする任意の時点を選択して、Refreshボタンをクリック
5.Operationsページに移動して リフレッシュの状況画面を表示
REST APIの設定項目画面になります
DBへの全オペレーションを可視化することができます。
最後にNutanix Eraについてまとめます。
- Nutanix Eraによってデータベースのコピーデータ管理に伴う 複雑化する運用管理と増加するコスト負担を軽減
- 1Clickデータベースプロビジョニング
- タイムマシン機能によるデータベースのクローン、リフレッシュ、リカバリ運用の簡素化
是非一度利用してみてはいかがでしょうか。
よろしくお願いします。