皆さん、こんにちは レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。本日はNutanixにおけるサイジングとベストプラクティスについての第二弾の内容をお伝えしたいと思います。
前回はNutanix Sizerの紹介とサイジングに関するそれぞれのリソースにおける注意事項をご紹介しましたが、今回はベストプラクティスを中心にお話したいと思います。
1.Nutanixのサイジングについて
Nutanix Sizerでサイジングできる主なソリューションとして上記の内容になります。
VDIなどに関しては、VMware ViewやCitrix XenDesktopベースにしたサイジングやユーザ種別(タスクワーカー・オフィスワーカーなど)でサイジングできます。
サーバ仮想化については、仮想サーバの大きさを大・中・小と言った3種類で試算できます。
ほかにはデータベースやファイルサーバなどもソリューションもありますが、リソース全体でどのくらい必要なのか(例えば全体でCPUが200、メモリが500GB、容量が10TB程度など)を指定して算出するケースはRAW Inputなどを利用して算出できます。
サイジングするデータが事前にわかっていればよいが、実際の環境からそれを算出する方法はないのかと思う方もいらっしゃるかと思います。
2.仮想環境におけるデータの収集方法
既存のVMwareの環境がどれくらいの仮想でどのくらいのリソースを利用しているのかを簡単にわかるツールとして、RVToolsがあります。
お客様から既存環境の仮想マシンの一覧を頂くケースもありますが、実際に管理をしっかりやっていれば問題ないと思いますが、常にデータを管理できていれば良いですが、抜けがある場合も考えられます。
RVToolsは実際に仮想環境を管理するvCenterサーバもしくはESXホストから直接Credential情報をベースのログインして仮想マシンの情報を収集します。
収集した情報をレポートにまとめてもらえるので、仮想マシンのリソースが簡単に把握することができます。
RVToolsのレポートは上のイメージにもありますが、Excelライクな表示になります。こちらでリソースが把握できるわけですが、実際にどのように見ていくのかも合わせてもまとめておきました。
こちらをまとめて、RAW InputでサイジングをかけるとNutanixに必要な構成もすぐに出すこともできますので、是非ご利用下さい。
3.正しいサイジングについて
前回の内容からCPUとメモリのサイジング内容については記載していますが、改めて記載しておきます。メモリについては仮想マシンあたりのメモリオーバーヘッドの例を記載していますので、参考程度に見て頂ければと思います。
サイジングにおける注意事項を今回は記載したいと思います。
仮想環境でサイジングを行う場合、単に仮想マシンのリソースだけでサイジングするのではなく、CVMのオーバーヘッドも考慮する必要がありますので、数値を差し引くことを忘れずにお願いします。
また、CVMについてはCPUやメモリもありますので数値は前回のブログをご参照下さい。
圧縮。重複排除については、機能として利用できるが、CVMのオーバーヘッドにつながることから、利用しないほうがベターです。(利用しても良いがオーバーヘッドの考慮は忘れずに)
IOパフォーマンスを考慮する場合は、SSDの作業領域を多めにしておくことを忘れずに
既存環境もアセスメントしてからサイジングすることをお薦めします。
4.やってはいけないこと
Nutanixを提案する際によくあることを含めてコメントしたいと思います。
Nutanixはよく高いと言われて、価格を下げるためにRF2で提案している構成で、N+1台構成(例えば4台)からN台構成(例えば3台)に変更しようと言われます。
Nutanixや他のHCIも3台でも問題なく動作しますが、N台(特に3台)のケースでは、一台障害で落ちた場合に正常な状態での動作にはならないことから、障害対応も迅速に行う必要があります。そのため、N+1の構成はお客様に対する運用負荷を軽減させることもあるので、簡単に提案を変えることをしないようにお願いします。
変更する場合も、お客様にリスクを説明した上での対応を考えたほうがよいです。
気をつけよう!HCIに潜む落とし穴~知っておくとちょっと得をします~ - LTN Blog 〜 Lenovo Technology Network 〜
設計上の考慮事項についてですが、高密度型サーバー(2U4ノードのサーバー)を提案する場合に、筐体障害を考慮してBlock Awarenessを提案することをお忘れなく、一つの筐体でシステムが収まるという価値提案はできるものの、エンクロージャ障害には耐えられないため、Block Awarenessが必要になります。
Rack Awarenessは大規模の構成時に設計する概念になるため、小規模では意識する必要がありません。
Microsoftサポート、セキュリティ機能強化~AOS5.9の機能紹介~ - LTN Blog 〜 Lenovo Technology Network 〜
VDIやGPUのプロファイルについては、アプリケーション要件があるために、CPUの周波数を意識する必要があります。
レプリケーション要件については、仕様やライセンス要件をご確認下さい。
LTN Blogにも過去にNear SyncやMetroAvailabilityの記事は紹介しております。
また、異なるノードを追加する際についてですが、皆さん普通に1ノード追加すればよいと考える方もいらっしゃいますが、異なる容量の受け皿はもう一台追加する必要があるので、ご注意下さい。
一台しか増設しない場合リソース計算を間違えないようにお願いします。
ライセンスについてはレプリケーション要件などで関連してきます。Ultimateライセンスにしておけば問題ないケースは多いですが、Filesや暗号化のソフトウェアライセンスはProライセンスでも利用できることから、エディションの選択は間違えないようにお願いします。
最後の方は、特に提案時に気をつける内容として、まとめさせていただきました。
よろしくお願い致します。