皆さん、こんにちは レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。本日はAHVのネットワーク設定についてお話したいと思います。
以前にもこちらのトピックについてはお話しておりますが、前回は仮想スイッチのみのお話で終わってしまいましたので、今回は全般的なお話をしたいと思います。
前回の内容は以下のURLから確認ができます。
https://blog.lenovojp.com/entry/2018/09/09/162719
1.AHVのネットワーク概要
AHVはOpen vSwitchを利用してネットワークを構成します。OVS(Open vSwitchを略します)のサービスはそれぞれコンポーネントがありますのでそれぞれ説明したいと思います。
2.Open vSwitch
Open vSwitchはLinuxカーネルで実装されており、マルチサーバーの環境環境で動作するように設計されております。OVSはMACアドレスを学習してテーブル管理しております。ハイパーバイザーと仮想マシンはスイッチの仮想ポートに接続します。各ハイパーバイザーはOVSインスタンスをホストして、すべてのOVSインスタンスが組み合わさって単一のスイッチを形成しています。(以前のブログで紹介した内容がこちらになります)
3.ブリッジ
ブリッジは、物理インターフェイスと仮想インターフェイス間のネットワークトラフィックを管理するための仮想スイッチとして機能します。
デフォルトのAHV構成には、br0というOVSブリッジとvirbr0というネイティブLinuxブリッジが含まれています。
virbr0 Linuxブリッジは、CVMとAHVホスト間の管理通信専用に使用されます。他のすべてのストレージ、ホスト、およびVMネットワークトラフィックは、br0 OVSブリッジを通過します。
AHVホスト、仮想マシン、および物理インターフェイスは、ブリッジへの接続に「ポート」を使用します。
4.ボンド
ボンドポートはAHVホストの物理インターフェースにNICチーミングを提供します。
デフォルトでは、bond0という名前のbondがブリッジbr0に作成されます。ノードイメージングプロセスの後、すべてのインターフェースは単一のBond内に配置されます。これはFoundationイメージングプロセスの要件です。
デフォルトの設定は、初期の展開時にbond0から1ギガビットポートを削除するように変更する必要があります。10ギガビットポートだけが残ります。 Open vSwitchボンディングでは、アクティブバックアップ、balance-slb、balance-tcpなど、いくつかの負荷分散モードが可能。
リンクアグリゲーション制御プロトコル(LACP)もボンドに対してアクティブにできます。 "bond_mode"設定はインストール中に指定されないため、デフォルトでactive-backupになります。
5.IPアドレス管理(IPAM)
ネットワークの作成とVLAN管理に加えて、AcropolisはDHCPを使用して仮想マシンへの IPアドレスもサポートします。
各仮想ネットワークと関連VLANは、特定のIPサブセット、関連ドメイン設定、および割り当てに使用可能なIPアドレスプールのグループを使用して設定できます。 Acropolisは、設定されたIPアドレスプールと設定が使用されるように、OVSのVXLANとOpenFlowルールを使用してユーザーVMからのDHCP要求を傍受します。
管理者はAcropolisとIPAMを使用して統合されたPrismインターフェースからネットワーク管理を含む完全な仮想化導入を実現できます。これにより、仮想マシンのプロビジョニングと ネットワークアドレスの割り当てに関連する従来の複雑なネットワーク管理が大幅に 簡素化されます。 IPAM機能を有効にしてアドレスの重複を回避する前に、必ずネットワーク チームと協力して仮想マシンのアドレス範囲を逆にしてください。
管理対象VMのNICが作成されると、IPアドレスがアドレスプールから割り当てられます。 VM NICまたはVMが削除されるまで、アドレスはプールに解放されません。
6.ネットワーク設定におけるベストプラクティス
ベストプラクティス内容については、AHVのネットワークの内容における注意点ではありますが、必ずしもこれを満たさなければ接続できないわけではなく、ベストケースであることをあらかじめご了承ください。
OVSブリッジのOpenFlowテーブルは変更しないでください。
1GbEおよび10GbEについてはそれぞれのインタフェースの注意事項がイメージに記載しております。VLANについてもデフォルトで設定されているものもありますので、注意しながら変更して下さい。
上位のネットワークスイッチについては、基本はノンブロッキングがおススメです。諸条件はイメージ内に記載しておりますので、ご覧ください。
IPMIインタフェースはトランクしないでください。
CVMについては設定は削除していけないものがありますのでご注意下さい。OVSのボンディングについては10GbEで設定をお願いします。
AHVのネットワークを設定する前に是非注意事項として覚えて頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。