皆さん、こんにちは レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。本日はVDIにおける注意事項をいくつかお話したいと思います。
VDIを導入したものの、運用上使い物にならないものを構築しては意味がなくなってしまいますので、今回は運用上役立つ点をいくつか紹介したいと思います。
1.Windows10のライフサイクルについて
Windows10のライフサイクルについてですが、エディションにより期間が異なりますが、通常利用されるProエディションは機能更新プログラムがリリースされてから18か月というスパンになります。今までは長期間のサポートになっていましたが、期間毎にリリースされるバージョンで管理していく必要があります。これにより、Nutanixで管理する場合に対応しなければならないのが、AOSも合わせてこちらをアップデートする必要があります。
AOSのライフサイクルについては以下のURLをご参照下さい。
1年ぶりのLTS対応AOS5.10 とその追加機能のご紹介~AOS5.10の機能紹介~ - LTN Blog 〜 Lenovo Technology Network 〜
ここでAHVに関してはコメントしていきたいと思います。
Windows10については、現状だと1803以降についてお話します。
Windows10はHyper-Vのプラットフォームを推奨しているようですが、それはWindows10が仮想化環境を意識して最適な状況で動作しようとします。(詳細は上の説明を参照して頂ければと思います)
また、Windows10 1803以降でハイパーバイザーレベルのSyNC タイマー(Windows10においてTimeサーバーを管理)になることになります。
こちらの機能はAOSの5.5.8 以降のLTSで対応可能になっております。
(STSはAOS5.9.1以上になります)
2.Officeのバージョンやセキュリティパッチについて
こちらにブログにはOfficeのバージョンごとのパフォーマンスデータを掲載することはしませんが、Office 2016とOffice2019でLogin VSIなどの数値は異なります。どのようなシーン・どのような環境なのかも含めて、VDI導入の際にOffficeのバージョンも含めてテストされることを推奨いたします。(Office2019のVSIの数値が劣ることがあります)
また、セキュリティパッチについては、IntelのCPUレベル(Spectre / Meltdown / ForeShadow)の脆弱性が発見されています。是非導入時にセキュリティパッチも含めての検証をお願いします。
3.GPUがVDIソリューションにもたらすメリット
GPUというとWorkStationに利用されることが思い浮かぶと思いますが、もちろんCAD向けVDIについてはGPUを利用することも考えられますが、昨今はNVIDIA社のGPUを利用したWindowsのVDI環境で利用されることがあります。Officeアプリケーションもスピードの向上も考えられますが、特にGPUがVDIで利用されるシーンとしては、Skypeなどの音声処理の時の効果が大きいようです。
また、GPUについては、VDI環境で利用した場合について顧客満足度が高い結果も出ております。以下のURLにLakeSide Softwareが測定した結果もございますので、参考にして頂ければと思います。
https://twitter.com/WillFulmer/status/1102968227213254656
また、利用シーンについてGPUがもたらす効果をまとめてみました。GPUボードは少し高価にように思えますが、業務が効率化することが望めるなら是非検討してみてはいかがでしょうか。
4.VDIのサイジングルールとガイドライン
VDIのサイジングルールとガイドラインについてですが、様々なルールがインターねネット上に上がっているので、こちらでは一般的なコメントをしたいと思います。
事前のアセスする環境があるかと思いますが、最近はLiquidwareやLakesideなどのツールを利用して実施することがありますが、仮想環境で導入されているお客様は仮想化でユーザーの収容度を測れるツールなどもありますので、そのようなツールで現状把握してみてはいかがでしょうか。
データからサイジングする場合についてですが、メモリ・CPU(MHz単位)の使用率、ディスク容量などがあります。アプリケーションの仮想化を行う場合はアプリケーションの一覧も対象になります。
OSのバージョンなどやOfficeのバージョン、セキュリティパッチもサイジングに大きく影響与える要素であるため、そのあたりの考慮を忘れずにお願いします。
VDIを検討する際に、CPUの選択がユーザーの集約度に大きく変わります。
ただ、ユーザーに詰め込みすぎるのもHAでの切り替え時間もあったり、消費電力に大きく影響することもありますので、コアの多いものや周波数の高いものを選択するかはアプリケーション次第で決定したほうがと良いと思われます。
また、どのようなユースケースなのかも把握する必要があります。
リソース要件もありますが、アプリケーションの利用方法やデスクトップが永続的に利用するタイプか毎回ログインするたびにデスクトップがクリアされる非永続型なのかによって、システムの選択方式が変わりますのでご注意下さい。
5.クラスタのサイズの決定
VDIでHCIを選択する際にスケールアウトできるからVDI!という感じでシステムを決定して、1つのクラスタの中にVDIのノードを定義してしまうと、運用上の問題が出てきてしまいます。
例えば、こちらは一例としてESXiでクラスタを構成した場合、ファームウェアのアップデートするときのメンテナンス(システム停止はしませんが)を記載しています。
16ノードのクラスタで運用した場合に約4時間程度のメンテナンスになりますが、これが32ノードの場合は8時間くらいかかります。
アップデート作業中は管理者は現地にずっと待機しなければならず、システム停止はしなくとも、メンテナンスの作業が長くなることは管理者の対応も大変ですので、1クラスタのノード数は是非部署単位で小分けることをお薦めします。
こちらは約2000ユーザーを1つのポッドに定義して、25000ユーザーを収容した例になります。VDI案件は大規模になりやすいことから、運用しやすいポッドの定義して是非メンテナンスの短いシステムの検討をよろしくお願い致します。
以上、よろしくお願い致します。