皆さん、こんにちは レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。本日は8月6日にリリースされたNutanix AOS 5.11についてお話したいと思います。
機能がかなり追加されておりますので、今回はAOSの機能をメインで紹介いたします。
Nutanix社提供の資料を利用させて頂いております。
1.AOS 5.11のメジャーアップデート
今回のアップデート内容としては以下の点になります。
- ストレージのサービス品質 (QoS) 【パフォーマンスと復元力】
- Volumesのネットワークセグメンテーション(iSCSI)トラフィック【セキュリティ】
- ストレージ容量 【スケール】
- DR 【データ保護】
- Nutanix Guest ToolsにおけるESXiのサポート
QoSに関しては、VMwareでいうところのStorage I/O Controlになります。
Volumesに関してもネットワークセグメントを分けられるようになっています。
ストレージ容量については、大容量ディスクに対応しておりますが、こちらは制限事項もありますので、合わせてご紹介したいと思います。
また、オブジェクトストレージもリリースされておりますが、名称が変更(Nutanix Objects)されておりますので合わせてお話します。
DRについては、ESXi関連の対応がメインになりますが、今回SRM(Site Recovery Manager)において、NearSyncが対応しております。
2.ストレージQoS
ストレージQoSは、管理者が仮想マシンのパフォーマンスを管理するためのきめ細かな制御を提供し、システムがすべてのワークロードに対して一貫したパフォーマンスを提供するようにします。制御可能なノブを使用して、ストレージレイヤーが個々の仮想マシンに提供するIOPSを制限できます。
ライセンスはProエディション以降で利用可能になります。ハイパーバイザーはESXiとAHVで対応しています。
QoSライクの機能はすでにNutanixには実装済みで、例えば容量とパフォーマンスに基づいたデータのコピー機能ががあります。(説明は省略させて頂きます)
さらに機能追加という形でADS(Acropolis Distributed Scheduler)などもNutanix全体のリソースを見ながら、単一ホスト内でリソースが不足した場合の仮想マシンの移行先を決定します。(説明は省略させて頂きます)
IOPSはストレージレイヤーが1秒間に処理できるリクエストの数になります。ノイジーネイバーの多いVMがシステムリソースを過度に使用しないように、VMにスロットル制限を設定できます。
ノイジーネイバー(うるさい隣人)に関する記事はインターネット上でも数多く紹介されているので、是非ご覧ください。
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1611/10/news010.html
3.ネットワークセグメンテーション
サービスのネットワークセグメンテーション
トラフィックをコントローラーVM上の別のvNICに制限し、独自の物理NICを持つ専用仮想ネットワークを使用して、サービスに関連付けられたトラフィックを保護できるようになりました。このタイプのセグメンテーションは、サービス固有のトラフィックの真の物理的分離を提供します。このリリースは、Nutanix Volumesのネットワークセグメンテーションをサポートしています。
ライセンスはStarterエディション以降で利用可能になります。ハイパーバイザーはESXiとAHVで対応しています。
この機能を利用することにより、基本的にサービス (この場合はVolumes)を新しいBridge (またはESXiの場合は仮想スイッチ)に接続し、 クラスター内部の各ノードの特定の物理ポートのみに 接続可能。 そのサービスからのすべてのトラフィックは、 そのBridge/物理ポートの組み合わせのみを通過させます。
3.高密度ストレージノード
1ノードあたり最大120 TiBのサポート
・Foundation 4.4以降のAOS 5.11は、ノードあたり最大120テビバイト(TiB)のストレージをサポートするようになりました。(正確には容量表記はこちらになります)
・Foundationソフトウェアは、プラットフォームモデルまたはストレージ容量に応じて、各コントローラーVMに割り当てられたデフォルトのメモリとvCPUの数をプロビジョニングします。
また、今回のストレージノードを利用するにあたり、必要な要件がありますので、以下に記載致します。
必要な要件:
1.最大ノード容量あたり120TB (12TB x 10)
2.ノードごとに少なくとも2つのSSDが必要
3.HDDとSSDの比率は少なくとも2:1
4.ノードごとに合計7.68TB以上のSSD容量が必要 (3.84TB x 2)
5.CPUごとに最低12の物理コアが必要。ノード自体はデュアルソケットが必須
6.各CVMには12個のvCPUと36GBのサイズが必要
こちらのストレージノードについては、現状は以下の機種で対応しています。
NX-8155-G6
NX-5155-G6
ThinkAgile HX5520 (Lenovo)
上記の以外の他社製品は各社にご確認下さい。
4.オブジェクトストレージ(Nutanix Objects)
オブジェクトストレージについては、先にもお話しましたが、今回からNutanix BucketsからNutanix Objectsに変更に名称が変更になっております。
S3互換のAPIがサポートされ、導入も簡素化されています。
データの保管についてもWORM対応やセキュリティもSEC 17a-4準拠になっております。
バックアップとしても利用可能で、10ノードで1PB程度の容量にもスケールアウトします。
こちらのNutanix Objectですが、2TBの容量があればお試しでご利用可能だそうです。
バックアップソフトウェアなどで利用する場合にも、REST APIでオブジェクトストレージバックアップ可能なソフトウェア(Veeam , Commvault)などが必要になりますので、対応プラットフォームなどを確認してご利用下さい。
よろしくお願い致します。