皆さん、こんにちは レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 小宮です。本日はAWS上のベアメタルサーバー上でNutanixクラスターを実現する”Nutanix Clusters on AWS”についてお話したいと思います。
こちらは、今年のNutanix .NEXTやNutanix .NEXT Japanの講演ではXi Clustersという名称で発表されておりましたが、今月からNutanix Clusters on AWSという名称に変更されました。
詳細は以下に記載致します。
1.ハイブリッドクラウドの導入は複雑
ハイブリッドクラウド環境はプライベートクラウドとパブリッククラウドをシームレスに管理します。ところが、プライベートクラウドでは仮想マシンのサイズおよびボリュームもリソースの限り自由に定義できるようになっていたが、パブリッククラウドにおいては、仮想マシンのサイズはTシャツサイズのように、メニュー化されて管理者が定義したいサイズではなかったり、またストレージについてもEBSもしくはS3などのクラウド事業者が用意しているストレージを使用する必要があり、パフォーマンスが出するのかどうか不安になるところもあります。
また、ネットワークについては、オンプレミスの場合VLANおよびVXLAN、Firewallなども用意して、セグメント化、セキュリティ対策を行うことができたが、クラウドではVPCやセキュリティグループなどでオンプレミスからネットワークをそのまま利用できないケースがあったりします。
2.クラウド間のアプリの移動は難しい
オンプレミスで利用してアプリケーションをパブリッククラウドに移動することを考える際に、既存のアプリをそのまま持っていこうとするとどのようなことになるのか?
【運用面について】
スキルセット:新しいトラブルシューティング方法の習得、スクリプトを別途修正する必要がある
サードパーティの統合:バックアップ、DR、監視にはソフトウェアの再インストールが必要となる場合があります。
ネットワーク:ポリシーを再構築する必要があります。
【インフラストラクチャについて】
可用性:高可用性もしくはライブマイグレーションなし
ストレージ:ブロックストアの可用性は保証されていません
実際にオンプレミスの時にケアされていたことがクラウド移行時に手間がかかることがあり、アプリケーションによっては、パッケージアプリケーションのようにライセンスの関係でクラウド移行が簡単にできないケースがあり、オンプレミス同様の運用をそのままできないような場合が存在します。
3.必要となるものは何か?
ハイブリッドクラウドに求められるもの、それは以下のようなものです。
・ライセンスの移植性、クラウドロックインなし
・パブリッククラウドアカウントへのネイティブ統合
・クラウド間のシームレスな動き
・一貫した構成とスキルセットを利用する単位るのプラットフォーム
何でもクラウドへ移行するということではなく、まずはクラウドに移行してよいのか?移行できるのか?を確認する必要があります。ライセンスコストだけでなく、可用性も満たせるのか?いくつかの要因をクリアしてクラウドへの移行ができます。
4.Nutanix Clusters on AWS
ただし、パブリッククラウドでもオンプレミスと同様の環境がある場合はどうでしょうか?それであれば、制限も軽減するはずです。
それを実現しているのが、Nutanix Cluster on AWSになります。
Nutanix Clusters on AWSはAWS上のベアメタルのサーバー上で実行されており、オンプレミスの環境と同様にPrism Centralで管理されるAOSクラスターをAWS上で提供します
プライベート&パブリックインフラストラクチャに跨る真のハイブリッドクラウドあ来てクチャーであり、単一の画面で管理されて運用することができます。
既存のNutanixおよびAWSアカウントを利用してお客様がクラスタを管理することできます。
Nutanix Clusters on AWSが提供する価値とは何か?それは以下の内容となります。
・プライベートからパブリックへのネイティブ拡張
オンプレミスで動作している仮想マシンをツールを変更せずにAWSへ移行できます。
オンプレミスと同様の運用方法でパブリッククラウドも管理できます。
必要に応じて容量を追加することも可能です。また休止および再開することも可能です
・AWSアカウントとのシームレスな統合
既存アカウントを利用してAWSの管理を行うこともできます。
ネットワークオーバーレイなしで複雑さを軽減し、遅延を改善します。(VPCの接続のみで対応可能、NSXなどのソフトウェアは不要)
・最適なリソースの使用率
支払いについてもそのままAWSクレジットを活用できます。
利用しない場合は休止などを行うことにより効率的な支払いも可能になります。
ベアメタルおよびネイティブクラウドサービス全体で変換可能なリザーブドインスタンスを利用することでコストを最適化します。
5.Nutanix Clusters on AWSのユースケース
Nutanix Clusters on AWSのユースケースについてですが、様々なユースケースは存在しますが、オンプレミスとのハイブリッドクラウド連携で考えると、こちらのイメージのようなユースケースになると思われます。
・クラウドマイグレーション
・ⅮC統合
・オンデマンドキャパシティ
お客様へのメリットについて
・共通のインターフェイスと確立されたワークフローを介してNutanixのプライベート クラウドをAWSに拡張
・既存のAWSアカウント、Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)、AWS Direct Connectまたは既存のVPNを活用
・新しいスキルを必要とせずにAWSインフラストラクチャを管理
非クラウド対応アプリをAWSに移行し、クラウドネイティブアプリと並行して実行
・ピーク時にクラウドにバーストさせることにより、オンプレミスの使用率を向上
・Nutanixのデータサービスをオンプレミスからクラウド、およびクラウドから クラウドネイティブに拡張
Nutanix Clusters an AWSはEC2上のベアメタルサーバーで実行されます。英語になりますが、詳細はブログに記載されているので確認して頂ければと思います。
https://www.nutanix.com/blog/xi-clusters-the-rise-of-the-true-hybrid
最後にNutanix Clusters on AWSの強みともいえる機能を紹介したいと思います。
6.HibernateとResume(休止・再開)について
Nutanix Clusters on AWSは例えばテスト・開発などのケースでワークロードを一時的に利用するが、開発が終わった場合にその環境を休止(Hibernate)する機能があります。Hibernateしている最中はAmazon S3上にデータを保存し、コンピュートについてはコストがかからない状態にしておきます。
Hibernateしたクラスタを再開することができます。この際、S3に保存していたデータを戻してEC2上で起動させます。その際データの損失はございません。
是非Nutanix Clusters on AWSも検討してみてはいかがでしょうか。
よろしくお願い致します。